オリーブオイルは、オリーブの実から搾られる油です。
生活習慣病の予防をはじめとした健康効果や、シミ・そばかす対策などの美容効果に期待できます。
オリーブオイルの効果を得るためには、適用量を摂取することが大事です。
ここでは、オリーブオイルの種類や、健康・美容効果について解説します。
希少な国産オリーブオイルの価値についても解説します。
より安心安全なオリーブオイルの購入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
日本で販売されているオリーブオイルの種類
日本で販売されているオリーブオイルには、「エクストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類があります。
ここでは、2種類のオリーブオイルの特徴を説明します。
エクストラバージンオリーブオイルの特徴
エクストラバージンオリーブオイルとは、精製や化学的な加工を一切行わない、オリーブの実を搾っただけの純粋なオリーブオイルを指します。
さらに、『良質なオイル』とは、エクストラバージンオリーブオイルとして定められた成分や風味などの基準を満たしたものを指します。
また、エクストラバージンオリーブオイルは、搾油以外に手を加えない製法であることから、栄養素が失われにくい特徴を持っています。
エクストラバージンオリーブオイルの主な栄養素
- オレイン酸:血中のコレステロールを適正に保つ
- フェノール化合物(ポリフェノール類・フェノール類):抗酸化作用
- 微量成分(パルミチン酸・ステアリン酸・リノール酸・リノレン酸)
- クロロフィル:抗酸化作用(オリーブオイル独自の緑色を構成している)
- aトコフェノール(ビタミンE):抗酸化作用(美容成分としても利用される)
- 植物ステロール類:植物性のステロール類│コレステロールの吸収を阻害する
※栄養素による健康・美容効果について、詳しくは後述しています
加熱せずにサラダや出来上がった料理に直接かけて食べることや、1日大さじ1杯程度飲むことで栄養素を余すことなく摂取できるため、健康維持につながります。
ピュアオリーブオイルの特徴
ピュアオリーブオイルは、オリーブから搾油したオイルを精製し、エクストラバージンオリーブオイルなどとブレンドしてつくられています。
精製したオイルと、ほかのオリーブオイルをブレンドする比率に基準はないため、商品によって味や香りが異なるという特徴があります。
日本国内で流通している、オリーブオイルの多くが、ピュアオリーブオイルです。
「ピュア」という呼び名は、日本特有の呼び方であり、単にオリーブオイルと表記されている商品もあります。
ピュアオリーブオイルの大半は、大容量ボトルで販売されており、エクストラバージンオリーブオイルに比べて、加熱調理や揚げ物の調理に適しています。
エクストラバージンオリーブオイルの方が成分率は高い
エクストラバージンオイルの成分は、ポリフェノール類などの成分とオレイン酸が入っています。
ピュアオリーブオイルには、オレイン酸が入っています。
オレイン酸(油としての脂肪酸)で期待できる健康効果
- 便秘を解消する
- コレステロール値を下げる
- 動脈硬化・心疾患を予防する
そのため、オリーブオイルに含まれる健康や美容に関する成分は、ピュアオリーブオイルより、エクストラバージンオリーブオイルに多く含まれています。
オリーブオイルを購入する際は、エクストラバージンオリーブオイルを選択すると、ピュアオリーブオイルよりも、健康や美容成分が効率良く摂取できます。
【生活習慣病の予防】オリーブオイルに期待できる効果
オリーブオイルには、生活習慣病の一因となる動脈硬化や高血圧を予防する「オレイン酸」「ポリフェノール」「ビタミンE」といった成分が主に含まれています。
生活習慣病のなかでも、日本人の死因の上位を占めている三大疾病といわれる病気は「がん・脳血管疾患・心疾患」が挙げられます。
厚生労働省では、生活習慣病について以下のように提唱しています。
生活習慣が原因で起こる疾患の総称。重篤な疾患の要因となる。
食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。
生活習慣病が発症する要因は、日頃の食事内容や運動や休養の頻度、喫煙や飲酒の有無など、生活における習慣が深くかかわっていることがわかります。
オリーブオイルを毎日摂取することで、生活習慣病の一因となる動脈硬化や高血圧の予防が期待できます。
【健康促進】オリーブオイルに期待できる効果
前の章で紹介した、生活習慣病の一因となる動脈硬化や高血圧を予防するには、身体の中の老廃物を排出できる生活を心がけなくてはなりません。
老廃物が身体の中にたまると、腸内環境の乱れや代謝の低下などを引き起こし、便秘から起こる肌荒れ、むくみ、手足の冷えなどにつながります。
ここでは、オリーブオイルに含まれる健康を促進する栄養素について説明します。
抗酸化作用でLDL(悪玉)コレステロールを減少させる
オリーブオイルに含まれる、オレイン酸・ポリフェノール・ビタミンEは、LDL(悪玉)コレステロールを酸化させる活性酸素を抑制する、抗酸化作用がある栄養素です。
酸化したLDLコレステロールが血管の壁に蓄積すると、動脈硬化・高血圧・心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病を引き起こす原因になると考えられています。
抗酸化作用のあるオリーブオイルを毎日継続的に摂取することで、LDLコレステロールを減少させて、生活習慣病を予防する効果が期待できます。
便秘改善効果が期待できる
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸には、便秘解消効果があるといわれています。
オレイン酸は小腸で吸収されにくい特徴があるため、腸内で潤滑油として働き、お通じをよくする効果が期待されています。
また、便にオレイン酸が染み込むことで、便が柔らかくなり、腸内をスムーズに移動できる効果もあります。
寝る前にオリーブオイルを大さじ1杯程度飲むことで、便秘解消効果が働き、翌朝の快便につながりやすくなります。
【美容】オリーブオイルに期待できる効果
オリーブオイルには、健康だけではなく、肌の美容効果を高めるオレイン酸や、ビタミンEが含まれています。
ここでは、オリーブオイルに含まれる肌への美容効果について、解説します。
保湿効果による乾燥対策ができる
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、人間の皮脂にも含まれている成分です。
オレイン酸が豊富に含まれているオリーブオイルは、「肌に近い油」ともいわれており、肌の角質のごわつきや、乾燥による小じわ改善に向けてアプローチします。
また、オリーブオイルは食用だけでなく、直接肌に塗る美容保湿用の商品が、一般的に販売されています。オレイン酸の保湿効果で、乾燥による肌トラブルの対策に役立ちます。
オリーブオイルを顔に塗布する場合は食用ではなく、必ず美容保湿用としてつくられた商品を使用しましょう。
皮膚の新陳代謝を促進してシミ・そばかす予防ができる
オリーブオイルに含まれるビタミンEは、紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要な肌のバリア機能を安定させます。
また、ビタミンEには血行促進作用があるため、皮膚の新陳代謝を高める効果があり、シミ・そばかすの原因となるメラニンが排出されます。
これらの作用から、オリーブオイルは身体の内側から行うシミ・そばかす対策であるといえます。
オリーブオイルは1日大さじ1~2杯を摂取する
オリーブオイルには、健康や美容効果が高い栄養素が多く含まれている反面、油であるため摂取の際には1日の摂取カロリーをオーバーしないように注意が必要です。
オリーブオイルのカロリーは、大さじ1杯(約12g)で約107kcalです。
オリーブオイルは、一度に大量に摂取するのではなく、1日大さじ1~2杯が適しています。
(オリーブオイルでダイエットをする場合は、1日小さじ3杯程度で、ほかの油を控える)
オリーブオイルを含む代表的なサラダ油など、100gあたりのカロリーは以下のとおりになります。
油の種類 | カロリー |
コーン油 | 884kcal |
サラダ油 | 886kcal |
キャノーラ油 | 887kcal |
ごま油 | 890kcal |
オリーブオイル | 894kcal |
オリーブオイル1gあたりのカロリーは約9kcal
オリーブオイル小さじ1杯(4g)あたりのカロリーは約36kcal
オリーブオイルに限らず、他の油も同様に少量でカロリーが摂取できてしまうため、ダイエット中はとくに、過剰摂取にならないように気を付けましょう。
純国産エクストラバージンオリーブオイルの希少性と価値
国内で栽培されているオリーブの量は少なく、国産のオリーブを使用した純国産のオリーブオイルは、極めて希少価値が高いといえます。
以下では、日本のオリーブ収穫量と海外からのオリーブオイル輸入量を比較し、純国産のオリーブオイルの希少性と価値について解説します。
純国産オリーブオイルは希少性が高い
純国産のオリーブオイルは、非常に希少性が高いため、海外産のオリーブオイルと比べて販売価格が高くなります。
海外産のオリーブオイルは、500mlが500円程度で販売されています。対して、国産のエクストラバージンオリーブオイルは、100mlで3,000円~5,000円ほどします。
価格に差があるのは、オリーブオイルの価格は原価の積み上げで決まるからです。産地の地域による物価、生産や維持費にかかる経費が関係します。
また、オリーブの実からどのくらいのオイルが絞れるか、搾油率が大きく影響します。
オリーブオイルは、ひと粒のオリーブの実から、10%程度しか搾油できないといわれています。
ひと粒がおよそ2gであるため、オイルはわずか0.2gしか取れない計算になります。
また、搾油機に一度に投入するオリーブの量は、100~150kgといわれています。
100kgのオリーブを搾油した場合、オイルとしてできるのは10kgほどです。如何に希少性が高いかがわかります。
オリーブの国内収穫量とオリーブオイルの輸入量
また、「オリーブの国内収穫量」と「オリーブオイル輸入量」を比較すると、希少性が明らかです。
政府統計「令和2産特産果樹生産動態等調査」によると、オリーブの全国収穫量は545.8tです。
全国収穫量をすべてオリーブオイルに加工すると仮定すると、搾油できるオリーブオイルの量は、54.58tと計算できます。
しかし、実際はオリーブオイル以外にも加工されるため、国産のオリーブを使用したオリーブオイルは、54.58tより少ない量であることがわかります。
参照元:政府統計の総合窓口「令和2年産特産果樹生産動態等調査」(かんきつ類以外の果樹【常緑果樹】)
一方で、横浜税関が公表している「オリーブオイル輸入について」の資料によると、海外からの輸入量は年々増加傾向にあり、2020年(令和2年)の時点で、およそ69,000tです。
全国収穫量から算出したオリーブオイルの量と、海外からの輸入量を比較すれば、純国産のオリーブオイルが、どれほどの希少価値を持っているか、明確です。
上述したオリーブの「国内収穫量」と「オリーブオイル輸入量」の情報からみても、本物のエクストラバージンオリーブオイルは、大量生産されている商品のように安価では購入できないことがわかります。
オリーブオイルの使い分け
不自然に安価なオリーブオイルは、炒め物や揚げ物に向いています。
対して、エクストラバージンオリーブオイルは、冒頭の章「エクストラバージンオリーブオイルの特徴」でもお伝えしたとおり、加熱せずに料理やサラダのなどのうえからかけて摂取するのが向いています。
とはいえ、エクストラバージンオリーブオイルが、加熱に向いていないわけではありません。
加熱すると、炒め物や揚げ物にほどよいアクセントになります。
加熱しない状態(生使い)をおすすめするのは、オリーブオイル独自の香りや苦み、辛味などすべての味わいを、最大限に取り入れてもらいたいことが理由です。
オリーブオイル本来の風味を味わいながら、栄養素を効率的に身体の中に取り入れるとよいでしょう。
純国産エクストラバージンオリーブオイルなら『12Olives』
静岡県菊川市にある『12Olives』では、純国産のエクストラバージンオリーブオイルを販売しています。
温暖で日照時間の長い静岡で育てた、純国産のオリーブからつくる商品は、地元の静岡市内をはじめ、関東方面での店舗置き販売、また、インターネット販売も行っています。
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参考12Olives・設置店舗のご紹介
12Olivesのオリーブ商品を設置いただている店舗と、オーナーさま、お客さまの声を紹介しています。 Contents 店舗名:nimes (焼き菓子・雑貨店)店舗名:Jetset (ヘ ...
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12Olivesのエクストラバージンオリーブオイルは、フライパンに入れるオイルではなく、出来上がった料理にかけて召し上がっていただく商品です。
焼き椎茸や、エリンギなどのキノコ類やタケノコ、豆腐や納豆などの和食によく合います。
パスタには、12Olivesのオリーブソルトも加えていただければ、本格イタリアン並みのおいしい料理になります。
12Olives商品オリーブオイルの簡単レシピは、下記の記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
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より鮮度が高く、栄養成分が多く含まれているのは、エクストラバージンオリーブオイルです。
オリーブオイルの健康・美容効果を求めるのであれば、エクストラバージンオリーブオイルを選ぶとよいでしょう。
さらに、安心安全を求めたい人は、国産のオリーブオイルが適しています。オリーブオイルを毎日大さじ1~2杯ずつ摂取し、健康な生活を手に入れましょう。