ダイエットを効果的に継続させるには、食事を見直すことと適度な運動が大切です。
食事の面でとくに気を付けたいポイントは、調味料に含まれている糖質量です。
糖質について知ることは、ダイエットを成功させるために必要です。
毎日の食事に欠かせない調味料の使い方に注意して、適切な糖質管理を行いましょう。
本記事では、糖質の低い調味料と高い調味料とそれぞれの注意点についてお伝えします。
また、糖質を抑える調味料の代用方法についても説明しています。
糖質とは炭水化物に含まれる栄養素
糖質は、3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)のうち、炭水化物に含まれます。
糖質は、穀類やいも類、砂糖などに多く含まれており、体内に取り入れられることで体や脳を動かすエネルギー源になります。
さらに、糖質は、体内のタンパク質を分解抑制するといわれており、筋肉をつくるための身体づくりに必要です。
また、傷ついた血管を修復するなどの働きをするため、糖質は人間の健康を支えるために欠かせない栄養素のひとつといえます。
糖質には種類があり、単糖類・小糖類・多糖類の3つに分類されます。
- 多糖類:でんぷんやオリゴ糖など
- 二糖類:砂糖や乳糖など
- 単糖類:ブドウ糖や果糖など
単糖類は、必要以上に分解されない糖類を指し、不足すると集中力や体内のエネルギーが減少し、疲労を感じやすくなる一因となります。
炭水化物から摂る糖質は、人が健康に生きていくうえで必要な栄養素です。
ダイエット中であっても、ほかの栄養素とのバランスを考慮しながら、毎日摂取しましょう。
糖質量を抑えたダイエット法と体のメカニズム
糖質の過剰摂取は、肥満や成人病を引き起こす原因となるため注意が必要です。
糖質はあらゆる食品に含まれているため、摂り過ぎないように意識していなければ、過剰摂取になる傾向にあります。
ダイエットを行う際は、日々の食事を管理し、糖質を摂り過ぎないよう心掛けることが大切です。
1日当たりに摂取する糖質量を抑えたダイエット方法を「糖質制限ダイエット」とよびます。
糖質制限ダイエットとは、ご飯・パン・麺・イモ類などの炭水化物や、甘い食べ物に含まれる糖質を制限するダイエット法です。
日本人の1日あたりの炭水化物の目標摂取量は、250g~325gといわれています。
糖質制限ダイエットを行うには、炭水化物の目標摂取量よりも摂取を抑える必要があります。
厳しく糖質制限する場合は、1日当たりの糖質量を70g、緩やかに制限するには、糖質量を130g以下に抑えましょう。
対して、糖質を抑える代わりに、肉・魚・豆腐・チーズ類など、たんぱく質と脂質が主成分の食品や野菜をしっかり食べ、栄養バランスを整えることが重要です。
糖質制限がダイエットに効果的な理由は、摂取した糖を吸収して脂肪として蓄積する「インスリン分泌」が抑えられるためです。
インスリンとは、すい臓のベータ細胞でつくられるホルモンのことです。 インスリンは、血糖値を調整する働きがあります。
インスリンが過剰に分泌されると、肥満を引き起こす原因になります。
糖質を制限し血糖値の上昇を防ぐことで、インスリンの大量分泌が抑えられ、太りにくくなるといわれています。
現代は食があふれており、日常的に糖質を過剰摂取している状態です。
エネルギーとして使い切れなかった糖質が中性脂肪になって蓄えられることで、肥満の原因になっています。
糖質を過剰摂取しないことで、ダイエットを効率良く行えます。
糖質が多い調味料一覧
糖質制限ダイエット中の食事において気を付ける要素は、食材のみではありません。
料理の味を調える調味料にも、多くの糖質が含まれています。
主な調味料の糖質一覧は、以下のようになります。
参考元: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※料理酒は市販商品から平均値を算出
糖質が多い調味料の注意点
糖質の多い調味料は多くあります。
上記の表以外にも、主なものとしてカレールー、コチュジャン、テンメンジャン(甜麵醬)、ノンオイルドレッシングなどが挙げられます。
以下では、上述の「主な調味料の糖質量の一覧」の中から、一部の調味料について具体的な注意点を紹介します。
砂糖
砂糖は上白糖、グラニュー糖などの種類を問わず、糖質が多く含まれている調味料です。
砂糖の糖質量は100gあたり99.3gと、大半が糖質で構成されています。(カロリーは391kcal)
そのため、砂糖を使う際は、ややカロリーが低く、ミネラル含有量が多い「黒糖」がよいでしょう。
非糖質甘味料に分類される、人工甘味料で代用する方法もおすすめです。
人工甘味料にはブドウ糖が含まれていないため、血糖値が上昇しないメリットがあります。
はちみつ
はちみつは、料理以外にも、コーヒーや紅茶などの飲み物などにも合うため、甘みを足したい際に使用しやすい調味料のひとつです。
はちみつの糖質は100gあたり約81.9gと、非常に多く含まれています。
メープルシロップの糖質は、100gあたり約66.6gと、はちみつに比べるとやや低めですが、半分以上が糖質でできているといえます。
甘みのあるものは糖質が高い、と認識しておけば間違いないでしょう。
はちみつも砂糖同様、人工甘味料で代用できます。用途や、料理の種類に応じて使い分けるとよいでしょう。
コショウ
コショウは甘みがない調味料ですが、糖質は100gあたり66.6gあり、上述したメープルシロップと変わらない量が含まれています。
しかし、味付けで使用する1回あたりの量が少ないため、制限するほど気にする必要はないでしょう。
コショウに含まれる糖質量を知識として持っておくことで、使いすぎを防止できます。
みりん
みりんは、料理に甘さと深みを加えてくれる和食に欠かせない調味料です。
しかし、みりんに含まれている糖質に関して、注意することがあります。
みりんには「本みりん」と「みりん風調味料」の2種類があります。
100gあたりの糖質は、本みりん43.2g、みりん風調味料55.7gと、本みりんの方がやや低くなっています。
使用するのであれば、みりん風調味料ではなく、本みりんを使うとよいでしょう。
とはいえ、糖質制限のためにはみりんの使い過ぎには注意が必要です。
煮物などの味付けは使うみりんの量を抑えるか、甘味料に置き換えるなどの対策を行いましょう。
糖質オフのみりんは、焼酎に人工甘味料を加えることで自作できます。
割合は焼酎3に対して、人工甘味料1程度がよいでしょう。
糖質オフの日本酒と、ラカント(カロリーゼロの甘味料)でつくることもできます。
調味料でつくられた市販のドレッシング
ドレッシングは味の調整のために砂糖が使われることが多く、サラダなどに多量にかけてしまうと、糖質量が増えてカロリーオーバーになり、肥満の原因となります。
一方で、販売されているドレッシングの中には、オイルが入っていないノンオイルドレッシングも売られています。
ノンオイルドレッシングはオイルが排除されているため、味に物足りなさを感じてしまう傾向にあります。
結果的に、適量よりもドレッシングを多くかけてしまい、糖質量が増えてカロリーオーバーになります。
ノンオイルドレッシングも、かけすぎには十分注意しましょう。
糖質が少ない調味料の注意点
市販の調味料の中でも糖質が少ないものもあります。しかし、ダイエット中に市販の調味料として使用するときは、糖質以外に注意が必要な点があります。
糖質が少ない調味料には、主に次の種類があります。
- オリーブオイル
- バター
- マヨネーズ
- 塩
- 穀物酢
- 薄口しょうゆ
- スパイス
次いで、糖質が少ない調味料を使うときの注意点をお伝えします。
オリーブオイルをはじめとした油類
オリーブオイルをはじめとした油類のカロリーは高いですが、全般的に含まれている糖質は低い傾向にあります。
しかし、摂りすぎはカロリーオーバーで肥満の原因となるため、一日の摂取量は控えめにしましょう。
バター
バターにも、糖質はあまり含まれていません。多くの料理と相性がよく、風味を豊かにしてくれる万能調味料です。
しかし、油類と同様カロリーは高いため、多量摂取は控えましょう。
マヨネーズ
マヨネーズはカロリーが高く健康を損なう印象がありますが、含まれている糖質はそれほど高くありません。
しかし、カロリーハーフのマヨネーズには注意が必要です。
カロリーハーフマヨネーズの正式名称は、マヨネーズではなくサラダクリーミードレッシングです。
油の割合はマヨネーズの半分ですが、加工でんぷんや増粘剤などの添加物が加えられています。割合の半分は添加物であるため、ハーフカロリーになるという仕組みです。
カロリーハーフは、脂肪分を減らしてカロリーを少なくしている反面、塩分や糖質を上げることでマヨネーズに寄せた味わいにしています。
糖質制限が目的の場合はカロリーハーフではなく、従来のマヨネーズを使うとよいでしょう。
塩
塩には、糖質が含まれていません。
カロリーも含まれていないため、塩はダイエット中の料理の味付けに最適です。
しかし、塩を大量摂取すると塩分過多となり、むくみや高血圧の原因となる可能性があるため、摂取量に注意しましょう。
穀物酢
米や小麦、酒粕、とうもろこしなどが原料の穀物酢に含まれる糖質量は、非常に少なく、料理をすっきりとした味付けにできます。
米酢を使えば、クセも少なく米の甘みも感じられるため、酢飯や酢の物などの和食に向いています。
薄口しょうゆ
薄口しょうゆに含まれる糖質量は、著しく低いわけではありません。
しかし、濃口しょうゆと比べると糖質量が低いため、しょうゆを使って味付けをする場合は、薄口しょうゆを使いましょう。
スパイス
ブラックペッパーやコリアンダーなどのスパイスには、少なからず糖質が含まれています。
しかし、一度に使う量が少ないため、さほど糖質量を気にする必要はなく、ダイエット中でも安心して使用できます。
糖質の多い調味料は代用品を使う
砂糖やカレールー、ケチャップなどは、普段の食生活に欠かせません。
これらの調味料には糖質が多く含まれますが、工夫次第で糖質の低い調味料に置き換えられます。
以下では、糖質の多い調味料の代用品について、具体的な例をご紹介します。
市販されている糖質オフの調味料を使う
調味料は、以下で紹介する糖質を抑えた商品で代用できます。
みりんやドレッシングは低糖質、糖質オフの商品が多くあるため、積極的に活用して糖質管理に役立てましょう。
砂糖は、オリゴ糖などの人工甘味料で代用が可能です。複数の種類が販売されているため、自分に合った商品を選ぶとよいでしょう。
一方で、カロリーオフとなっている調味料は注意が必要です。
カロリーオフの調味料のなかには、おいしさを保つために糖質を多めに配合している調味料も存在していて、カロリーが低い反面、糖質が高い傾向にあります。
商品裏の成分表など、パッケージをよく確認してから購入しましょう。
カレールーの代わりにスパイスを使う
多くのカレールーには、とろみをつけるため小麦粉が使われています。
この小麦粉が、カレールーの糖質を高くしている原因です。
そのため、カレーをつくるときはカレールーを使わずに、スパイスからカレーをつくることで糖質が抑えられます。
使用するスパイスはターメリック・クミン・コリアンダーなどです。
スパイスには糖質が含まれていますが、少量ずつ使用するため大きな心配はありません。
スパイスカレーは小麦粉を使わないため、とろみが無く、スープのようにさらりとした口当たりです。
カレー自体の糖質は抑えられますが、ご飯に含まれる糖質には注意してください。
スパイスカレーで糖質を抑えても、ご飯を食べすぎてしまっては、ダイエット効果を望めないため、ご飯の量は少なめにしましょう。
ケチャップの代わりにトマトを使う
ケチャップは、オムライスやパスタなどの料理に欠かせない調味料です。
しかし、それらの料理をつくる際に、使用する量が多い傾向にあります。
ケチャップは自作することで、多めにかけても糖質を抑えられます。
自作ケチャップは、トマトを小さくカットし、バターやオリーブオイルで炒め、塩こしょうで味を整えることでできます。
手間を省きたい場合は、生のトマトの代わりにトマトの水煮缶を使ってもよいでしょう。
つくったケチャップは冷蔵庫で冷凍保存しておけば、必要なときに解凍すれば使えます。
味付けは塩こしょうで素材の味を楽しむ
料理はシンプルに、塩こしょう中心の味付けを心掛けましょう。
焼肉や焼き鳥を食べるときはたれではなく、塩で食べることをおすすめします。
和風のたれは甘辛い風味が特徴ですが、みりんや砂糖が使われており、糖質が高い傾向にあります。
味を変えたいときはハーブを使う
塩コショウの料理が続くと、味に飽きてしまうこともあるでしょう。
味に飽きた場合は、ハーブやナンプラーなどを使い、味付けを変えると楽しくダイエットを続けられます。
これらの調味料は糖質が低く、手間をかけずに料理をアレンジできるためおすすめです。
オリーブの葉などのハーブ、ターメリックなどのスパイスを使うことで、糖質を抑えつつ料理に香りを付けられます。
豆板醤や唐辛子は辛みを、ナンプラーはうま味を出す効果があり、料理のバリエーションを広げられます。
ハーブやスパイスは用途に応じて中華風、洋風、エスニック風など幅広いアレンジができるため、有効に活用しましょう。
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糖質の少ない調味料でダイエット効果を高める
糖質は、体のエネルギー源になる大切な栄養素ですが、普段の食生活で過剰摂取してしまう傾向があります。
糖質を制限するには、食材だけではなく、使われている調味料に注意すると効果的です。
砂糖やみりん、ドレッシングなど普段の食事でなじみ深い調味料にも、多くの糖質が含まれています。
糖質の高い調味料は、工夫次第で代用でき、ダイエット向けのメニューへアレンジできます。
糖質が少ないシンプルな味付けに飽きてしまった際は、ハーブやスパイスを使って香りや風味を変えて、楽しくダイエットを続けましょう。